2016.11.15

国際協力への第一歩 ~青年海外協力隊員からのアフリカレポート26~

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和太鼓コンサートの前座で踊りました!700人の観客と共に盛り上がり、とても楽しかったです。

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マプトの日のステージでのソーラン節です。センターで且つ初めの「かまえ!」の掛け声もやらせていただきました!

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最後はみんな笑顔で決めポーズ!もちろんセンターはJICAの所長にお願いしました!私もやり切った感あふれる笑顔です。

ボンディーア!(おはようございます!)青年海外協力隊員の関朱美です。今回は、日本を紹介しようということでソーラン節を踊ったことについてお伝えします。

観客700名の和太鼓コンサートの前座でソーラン節
在モザンビーク日本国大使館主催の和太鼓のコンサートが10月末に首都マプトで開かれ、その前座で協力隊の皆様にソーラン節を踊っていただけないかと依頼があり、マプト隊員でソーラン節を踊りました。

依頼いただいたのが急であり、またコンサートが平日ということもあり集まるかどうか不安ではありましたが、どうにか私を含め5名の隊員が集まり、直前の週末に2時間程練習をして当日を迎えました。ポルトガル語が上手な同期が「どっこいしょー!」の掛け声を言っていただくことを観客へお願いし、終始、会場と一体になり盛り上がることができました。その後、和太鼓のコンサートを舞台袖で見せてもらったり、アンコールでは一緒にステージに立たせてもらったり、なかなかできない経験をさせていただきました。

マプトの日でのソーラン節
11月10日はマプトの日ということでイベントがあり、前日の9日に行われたマプトの日記念フェスタでもソーラン節を躍らせていただきました。こちらは前々から計画を立てていたため、JICAモザンビークの所長や、スタッフも含め、マプト隊員みんなで踊ることができました。

さすがモザンビーク、踊るその日まで段取りや、プログラムの調整でばたばたで、もしかしたら踊れないのではないかという不安もありましたが、どうにか皆様の協力のもと無事に踊ることができました。後輩隊員や任国外旅行にマプトに来ていたナミビア隊員の応援もあり、こちらも観客も一緒に踊ってくれたり、「どっこいしょー!」と叫んでくれたり、とても盛り上がりました。

協力隊としてできること
和太鼓のコンサートとマプトの日にソーラン節を踊りましたが、これは協力隊の活動としてやらなくてもいいものであり、実際に他の州で踊った例はあっても、マプトの日で過去に隊員がソーラン節を踊った例はありませんでした。

しかし、前のレポートにも書きましたが、相手を知ること、お互いを知ることは世界平和に繋がると思っていること、モザンビークには中国資本の企業も多く、歩いていると「チャイナ」と言われるため、日本人としてのアイデンティティーとして日本も知ってもらいたいという思いも自分を動かすきっかけになりました。また現地に2年間滞在している協力隊員でもあり、より多くの現地の方々に日本を知ってもらう活動としては、民間企業や他の機関で来ている方々よりもやりやすいということもあり、私がやらなきゃ誰がやるんだ?と思ったらやるという選択肢しかなかったです。

1人で始めたこと、だけど最後はみんないた
JICAスタッフと隊員に踊っていただけるかどうか有志を募り、市役所に踊らせてもらう依頼をするなど1人で一から企画、行動することから始めました。踊ることが好きでない隊員が多いため、最初は賛同してもらえるか不安もありました。日本と違い段取が全然できてなくて、当日ぎりぎりまで踊れるかどうかも分からない状態で、正直、どうなるか予測もできませんでした。

しかし、みんなが練習から当日の本番まで、笑顔で踊ってくれた上、私がソーラン節をやる意図もJICAの所長や専門家の方々も理解をしてくださり「本当にここまで、よくやった。よかったよ。」とのお言葉をいただきました。所長には「また来年、ソーラン節を踊るために任期延長しなよ~。」と冗談?を言ってくださり、大変だったけど本当にやってよかったなぁと思いました。最初は1人で始めたことだったけど、最後はみんなで、笑顔で終えることができました。今後も国際交流・国際協力ができる企画していきたいと思います。

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関朱美

SDGsフォーラム開催のお知らせ

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チラシ、申し込み用紙PDFsdgs12はこちらからダウンロードください。

2016.10.27

国際協力キャリアフェア2016

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「あなたの情熱を世界につなぐ日」

今年も、国際協力キャリアフェアが開催されました。

国際協力にかかわる進路を目指すなら、このフェアに参加するのが一番早道だと思います。

「国際協力キャリアフェア」は、より国際協力のプロに近づくためのキャリア形成を応援する本邦最大クラスのイベントです。いわば、グローバルな生き方を自分のキャリアMAPに描いた人たちが、生きた情報を求め、一度は訪れるフェアでないかと思います。この日は全国からこの分野での進路を目指す方々が集まります。昨年もたくさんの方が集まりました。

昨年もレポートしてブログで報告いたしました。今年は1か月早めての開催となりました。

政府機関、国連機関、、JICA国際開発機構、開発コンサルティング企業、開発組織、大学院、NGOすべてがあつまりますので、一日ですべてを回り相談を受けることができます。

私もその日、相談員をやらせていただきました

(斉藤宏)

2016.10.20

国際協力への第一歩 ~青年海外協力隊員からのアフリカレポート25~

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悩んだときには友人からの手紙を読んだり、励まされる音楽を聞いて頑張ろうと思えます。

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息抜きに家の近くのスタジアムへサッカーを見に行きました。観客は少なく、日本と比べると上手くはないですが楽しかったです。

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インターンとして職場に来ている学生たちと清掃活動に行ってきました。環境に対して熱心で、私とたくさん話してくれる彼らに元気をもらってます。

協力隊員に求められること
モザンビークでの活動が1年きって、これから本格的にどんなことを行わなければいけないか、どんなことを残していかなければいけないかと思っていた矢先のこと、身近にいて信頼をしていた同僚に「環境クラブをするのにJICAにお願いして子供たちにTシャツを買ってくれないか。AKEMIはここにいて何もしてくれないね。」と言われました。

信頼して、一緒に仕事をしてきた同僚だったため、私がお金やモノのためにいると思われていたのではないかというショックと、自分が活動をしてきたことはそこまで評価されていないのではないか、現地の人々のためになっていないのではないかという不安、私自身、疲れやストレス等が溜まっていたのかもしれませんがその一言にはかなりのショックを受けました。

私が環境教育を積極的に行っているのは外部団体や他の隊員の学校などで、職場では単発的に行っていることもあり同僚はそこまで私の活動を見ていないということも考えられますが、彼らは環境教育を自分たちではなくて、私に全て任せようとしていることは分かっていました。

しかし、私がいろんな提案をして、システムを良い方法に変えようとしているのは知っているはずなのに、結局は期待してくれることは、お金やモノなのかと思うと寂しくなりました。

協力隊員が求められていることって何だろう、ここモザンビーク、マプト市役所での自分の存在価値はあるのかと改めて考えてしまいました。

先輩隊員、専門家からのアドバイス、分かってくれるモザンビーク人
現地の人々が協力隊員に求めることは、お金やモノであるということは「協力隊あるある」で、先輩隊員に相談したところ、やはりそんなことは日常茶飯事みたいです。「そもそも協力隊にお金を求めているのではなくJICAに求めていて、そこに所属している私たち隊員が頼みやすいから頼んでいるだけで、いちいち気にしちゃだめだよ~」ってアドバイスを受け、私がそこまで落ち込むことじゃないんだな、考えすぎてるなと前向きになりました。

また専門家の方に、職場の仕組みを変えたいこと、現状の問題を話したところ、「専門家やJICAのプロジェクトでさえも何年もかけて仕組みを変えているのに、協力隊の2年で仕組みを変えるなんて難しいよ~!」って言われて、自分が活動に焦りすぎていることに気が付きました。

散々、学生の時から国際協力の勉強をしてきて、「押し付けて」はよくない、結果は数年やそこらでは出ないということを分かっていて、私は絶対そんなことしない!って思っていたのに、残り半分という期間に囚われて、自分の都合で焦ってしまっていたなぁと反省しました。そんなことを考えながらも、私のやりたいことを分かってくれて、話を聞いてくれるモザンビークの人もいて、結局はモザンビークの人にも助けられていて、頑張ろうって思えています。

闘うことをあきらめない
焦りすぎるのも良くないですが、ここでショックを受けたからといって現状のままにしてはいけない、何もしないままそれで終わらせるわけではいけないと思っています。どうしても焦って1から10のことをいきなり求めたりしていることを、1から2でもすすめればと思って、小さなことから行動を起こしていこと思います。

残り1年、できることは少ないかもしれませんし、この1年で結果なんてでないかもしれません。環境教育は結果が目に見えるまで10年かかると言われています。新規で来ているなら尚更、思う通りいかないことの方が多いです。今、結果は出なくても自分が帰国してからでも、「あの生意気な日本の女の子がこんなこと言ってたな~。こういうことだったのか~。」って気づいてくれればいいんですよね。あきらめず、モザンビークの人々に伝えていきたいです。

日本からのAIR MAIL
最近、JICAモザンビークの事務所に行く予定があり、自分のロッカーを見てみると日本の尊敬する友人からAIR MAILが届いていました。(協力隊では基本的に現地のJICA事務所にそれぞれ一人ずつ、小さなロッカーがあって、そこにJICAのスタッフが受け取ってくれた自分宛の郵便やJICAからの資料を入れてくれます。)

日本で私を待っていてくれていること、活動の結果とかじゃなくて私が無事にいてくれることを願ってくれていることが書かれていて、ここ最近悩んで落ち込んでいましたが、手紙を読んで少し気持ちが楽になって、元気が出ました。このタイミングにくれることにびっくりしつつ、本当に素晴らしい友人がいること嬉しく、誇りに思った出来事でした。手紙、届いたよ!本当にありがとう!

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関朱美

2016.10.11

青年海外協力隊員への参加によるグローバルコンピテンシーの変容研究

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前にも書いたように、グローバル人財の定義は全くバラバラで、統一化されていません。それは、要素が多く複雑化しているからです。

そのため、スコアで表せる英語力を評価の主流においています。これには疑問も示されています。たとえば英語が話せる、アメリカ人は科学力では強いのかというと、OECDの国際学力調査でも科学的リテラシーの順位は日本のほうがはるか上です。また、グローバルに展開した時に言語は英語だけじゃないことは自明です。

英語力以外においても、望まれるグローバル人財を示す時に、その要素を表で表示し、それぞれの要素を持っているかどうかを、ルーブリック表で判定するなどの作業をしています。確かに、数値にはなりますが、ルーブリックはあくまでも表で、レベル目安を判定するのは、教員や管理職などの人間で、判定の中に人間の主観が含まれているのです。これは客観的とは言えません。

この研究では、複合的な要素を含むグローバル人財を可視化するために、全く新しいオリジナル発想として、ベクトルの合成で表すことにしました。これにより、複雑化した能力を座標位置として示せるばかりか、バルーンの大きさを要素に加えることでより多くの情報を表すことが可能となったのです。

X軸として「前に踏み出す力」いわゆる「グローバルリーダーシップ」を定義します。要素として、主体性、働きかけ力、実行力、チャレンジ精神がかかわってきます。

Y軸に 「考え抜く力」あるいは「イノベーション力」を定義します。この力は、それまでの多様な考え方を融合し新しい発想を創造することができます。これには要素として、課題発見力、計画力、創造力などがかかわってきます。

Z軸とするのは、「異文化対応力」あるいは「多様性」といえるでしょう。要素としては異文化理解、協調性、柔軟性、コミュニケーション能力なのです。

baloon2これらの要素は一つの数値として表すのは極めて困難です。そこで、私が研究で考えたのは、あえてすべての数値をまとめず、ベクトルの合成としてグローバルコンピテンシーを現わせばよいことに気づきました。つまり X軸に「前に踏み出す力」いわゆる「グローバルリーダーシップ」 Y軸に「考え抜く力」や「イノベーション力」とするのです。 X軸、Y軸としたことで、第一象限が最も強いグローバルコンピテンシーを現わすことになります。第二象限は特に考え抜く力やイノベーション力が強い人財、第三象限は国内基盤人財、第4象限は特に前に進む力が強くグローバル人財の支援人材となりえます。 さらに座標をバルーンとして「異文化対応力」あるいは「多様性」を表現することにしたのです。これによりグローバルコンピテンシーの3次元の指標を合理的に一つの座標で表現することができるのです。バルーンが大きいほど多様性が高く、調整能力が高い人財を現わします。左の図は例ですが、前に踏み出す力が+1.7、イノベーション力が+1.8、多様性が3.8と判定された場合です。位置的には、第一象限にプロットされ、グローバル性が強い人財と判定されます。同時に、多様性も高くグローバル社会において、リーダーシップを発揮できる位置と判断できます。

それぞれの軸の力には前記した、多くの複雑な要素とストレスなどを演算しています。たとえば前に進む力が強くても、本人が無理をしていてストレスが大きくなる場合があるからです。これらを適性検査からすべて自動で演算するシステムを作りました。適性検査を受けることで、グローバル特性を自動演算できるシステムなのです。人の判断が間に関与しませんので、純粋客観的な数値を表示することができるようになったのです。

jocvobそこで、この判定システム(グローバルプラス)を使って、日本のボランティアとして、世界の開発途上国の最前線で活躍する、青年海外協力隊員のデータを収集いたしました。データは赤が、昨年の秋に現地に赴任したばかりの隊員から、志願してくださった方のデータとなります。このシステムはクラウドサーバー上で処理できますので、世界中どこにいても、ネット環境があれば即座にデータを収集できます。

データの青はすでに活動が終了し日本に帰国し、さまざまな職種で活躍しており、JICAの出前講師の協力もされているOB、OGグループとなります。赤の赴任したばかりのグループに対して、青のOB、OGのグループと明らかな変化が見られます。赤のグループには第三象限に位置する、ローカル基盤人財が含まれているのですが、青のグループはすべてが第一象限で、しかも、多様性バルーンが大きく成長しているのがわかります。

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ここで、調査対象が違うのだからたまたま、そのような人財に当たったのではないかという疑問もわきます。それはそれで、現在は調査の人数が少ないので否定はできません。そこで、赤のグループはすでに活動2年目に入っているので、赴任時と2年目になったところでの変容を調べてみました。図の青のバルーンが赴任時で、2年目に入ったところで測定したものがオレンジのバルーンになります。これを見ますと、青に対してオレンジがグローバル方向に移動し、多様性が大きく成長していることがわかります。

前にも説明しましたが、それでは、協力隊員OB、OGと実際のグローバル人財との違いはあるのかを調べてみました。左下の図がグローバル人財と周りから言われている方々のデータです。どんな方々かといいますと、グローバル企業の部長クラスとNGOや大学などで、グローバル教育を指導している人財の検査を収集しました。

グローバル人財のTOPの方のスコアや平均値においてはグローバル人財グループのほうが協力隊員OB、OGよりやや上になるのですが、多様性においてはばらつきが少ないように見えます。協力隊員OB、OGは開発途上国の最前線で、自分自身の多様性を成長変容させて帰ってきたとも考えられます。いま、帰国の青年海外協力隊員への企業の途中採用は増えているとのことですが、企業はその力を理解し、積極採用に動いているのではないかと考えます。

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このように、グローバルプラスによる測定は今まで見えなかった人間のグローバル力を明らかに可視化できることが理解できると思います。このシステムを、学校においても、企業においても、グループ編成などに使うとグループのチーム力にプラスの効果を期待できます。それはグローバル力の高い人ばかりを同じグループに集めると、極端な場合リーダーシップの覇権争いのようになりうまくいかない場合が出てくるからです。ほかにもさまざまな活用法が考えられます。ご相談いただければ、活用法を提示いたします。

(斉藤宏)

2016.10.06

国際協力への第一歩 ~青年海外協力隊員からのアフリカレポート24~

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職場の方からプレゼント。僕の気持ちということで、ハートのキーホルダーをいただきました。笑

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同期集合の恒例行事、BBQです。今回は新隊員も一緒に行いました。ガーリックトーストやサラダも作ってお腹いっぱいになりました!

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学校でのいきなり環境教育をやることに。現地の方の助けをもらいながらも、ポルトガル語でアドリブでできるようになった自分に成長を感じました。

ボンディーア!(おはようございます!)青年海外協力隊員の関朱美です。
モザンビークに来てとうとう1年が経ちました。そうです、任期の半分が過ぎてしまいました。ここからは、いよいよ折り返しです。今回はこの赴任1年後の健康診断や活動についてお伝えします。

赴任1年後の健康診断、同期との再会
協力隊ではそれぞれの国によって異なりますが、モザンビークは赴任1年後に健康診断が行われます。そのため、この健康診断のために同期隊員が首都マプトに集合しました。訓練の時からずーっと一緒に頑張ってきた同期、久しぶりに集まってもやっぱり同期という安心感があります。私たちの隊次は集まるとBBQをドミトリー(隊員連絡所)で行うのが恒例で、今回も同期のみんなでBBQを行いました。今回はちょうど1年違いの後輩隊員もモザンビークに着任してドミトリーに泊まっていたので、後輩隊員も誘って大人数でBBQをしました。私たちが27年度2次隊で、今回着任したのが28年度2次隊ということで、同じ2次隊繋がりで交流ができました。そして健康診断ですが、検尿、検便から採血、レントゲン等しっかりと検査されます。もしかしたら意外と思われる方も多いと思いますが、モザンビークはこの健康診断で大抵の隊員はコレステロールが高く出るようです。モザンビークは安い油が使われていて、しかも大量の油を使って調理されているものが多いので、結果そうなってしまうらしく、私も微々たる数値ですがコレステロールは若干高めでした。気になるところはそれくらいでその他は相変わらず健康です。残りの1年も健康には気を付けていきます!

自分の活動を振り返って
モザンビークでの生活が1年間過ぎて、今までの活動を振り返ってみると、やっているようでやれていなかったり、やれていないようでやれていたり、その活動を続けることは意味のあることなのか、本当に現地の人のためなっているのか、これからどんなことをしていくべきか、たくさんのことを考えて、あい変わらず悩んでいるなぁと思いました。初めの1年は配属先や外部の団体との関係性つくりがメインでその中で、赴任当初から考えていたコンポストや環境教育、住民への啓発活動についての企画・提案をし続けて、活動の土台を築き、そのおかげで1年目の後半には活動が動き始めました。そして、2年目になる今、このままこの活動を続けていって良いのか、残りの期間でできることは何か、本当に継続性があるのか、修正するべきところはあるのか等、自分の活動を以前よりも客観的に見る余裕ができてきたなと思います。2年目はこの客観的な視点も大切にして、残り半分をさらに充実した1年にしたいです。

モザンビークでの誕生日
9月にモザンビークで誕生日をはじめて迎えました。モザンビークの誕生日は自分でケーキを買って自分でパーティを開くようですが、健康診断や活動などで予定があったので私はパーティを開かなかったのですが、職場でみんなにお祝いの言葉をいただいたり、歳の話で盛り上がったりしました。毎日、私に会うと結婚しようと言ってくる職場にいる警察のおっちゃんに「私、今日、誕生日なんだけど~」って話したらプレゼントを買ってきてくれて、ちょっと申し訳なさを感じたり、当日は先輩隊員やJICAのスタッフの方とご飯をごちそうになったり、楽しい誕生日を過ごせました。改めて、モザンビークで関わるモザンビーク人、そして日本人、モザンビークでの生活も大好きだな~と改めて思う1日でした。

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関朱美

2016.09.14

国際協力への第一歩 ~青年海外協力隊員からのアフリカレポート23~

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私の職場の同僚たちと楽しく交流している妹の姿を見て、嬉しかったです。職場で妹はモテモテでした。

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地方へ連れていったときに、生きてる鶏を先輩隊員がさばいてくれました。日本ではできない経験をさせました。

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妹が滞在している期間に展示会があったので連れて行きました。私が環境教育について話している様子です。活動を見せる良い機会でした。

Bon dia!(おはようございます!)青年海外協力隊員の関朱美です。
8月に一時帰国をしてモザンビークに戻る際に、大学生で夏休み中の妹をモザンビークに一緒に連れてきました。今回は2週間程でしたが、協力隊員の私と共に、妹をモザンビークで過ごさせたことについてお伝えしたいと思います。

モザンビークに連れてきた目的
妹がなぜアフリカに来たのかというと私が住んでいるモザンビークを知り、卒論のために私の活動現場を見るというのが目的でした。国際関係の勉強をしているので身近によい例があるということで卒論を私の活動について書くことにしたそうです。そのため私の活動現場にも連れていきました。

私も自身の活動があったため少ない時間ではありましたが、博物館やショッピングセンターなどを観光したり、私の任地が首都であるためモザンビークという国を知るのために地方に連れていったりしました。そんなこんなで2週間が過ぎ、アッという間に日本に帰国しました。そしてこのレポートを書くにあたり、現在は日本に戻った妹からモザンビークでの現地での生活を体験して感じたこと、思ったことを文章にして送ってもらいました。

妹からのモザンビーク、協力隊の活動の感想
「モザンビークに着いた瞬間、首都のマプトを見て、思ったより途上国という印象を受けませんでしたが、日々過ごしているうちに、仕事を持っている人と持っていない人がいるなど、経済格差が見えてきました。しかし、そんな中でも日本人にはないモザンビーク人のフレンドリーな対応は新鮮で、ポルトガル語はわからなくても心地よかったです。

また町中にゴミが溢れていて、道端の水は濁っていて臭いし、ゴミや衛生面では深刻そうだと感じました。協力隊員、そして姉の仕事を見て仕事は大変そうという印象を受けました。ただ、言葉が完璧じゃなくてもここまで仕事ができると思ったのと、私はまだ学生だから仕事ということは分からないけど、姉の仕事を見て、自分で仕事を探して1から自分で考えて活動しているのは本当にすごいなと感じました。

協力隊員は自分一人で考えて行動するイメージがありましたが、繋がりを広げ、配属先以外の他の団体と協力をして環境教育を普及している現場を見て、協力隊員は現地の人々と協力していくことが大切なのだということを、活動を見て知ることができました。もし、自分が協力隊員として来ていたら何ができるのだろうかと途中から考えてしまいました。

今の自分は弱いところばかりで、今ここに来たところで、人の心を動かせないだろうと感じました。モザンビークに行って、いろんな人の話を聞いて、モザンビークの現状を見て、自分の弱さや今後の課題、目標を見つけることができた、素晴らしい経験になりました。そして将来、国際協力の仕事につけたらかっこいいなと思いました。」

人から受ける刺激
妹がこの文章を送ってきてくれたとき、とても嬉しい気持ちになりました。正直、大して観光地というところは連れていけなかったので、活動を休ませてもらって、もっといろんなところへ連れて行ったほうがよかったのかなと後悔しつつ妹を日本へ見送りましたが、2週間ほどの滞在で協力隊員の生活を経験し、活動を見せたことで多くのことを感じてくれたことを知って、モザンビークへ連れてきてよかったと思いました。妹にとって一番良かったことは、私の活動を見せ、同僚たちと交流したこと、そして他の隊員と交流したことかと思います。他の隊員から協力隊へ来た理由や活動のお話を聞き、また私が日本で働いていたより、楽しく明るく働いている姿や隊員同士楽しく暮らしているのを見て、妹にとって世界で働くことに対してよい刺激になったのではないかと思います。

協力隊の任務
妹が今回モザンビークに来ましたが、そもそも妹がモザンビークを知ったのは私がモザンビークに住んでいるからで、私がモザンビークに住んでいなければ決して訪れることはなかったと思います。このように私が協力隊員としてモザンビークに来ていることで、少なくとも私の周りの人々にモザンビークという国を知ってもらえています。そして実際にモザンビークに来てくれました。協力隊員は自分の任国と日本を繋げることも一つの任務です。日本で東日本大震災が起きた時に世界の各国から多くの方々から寄付や、応援の言葉をいただきました。その中には協力隊との出会いがきっかけで、その時の恩返しをしたいと日本へ寄付をしてくれた人も多かったと聞きます。協力隊員のように前線で現地の人と関わることで、お互いの国を知り、お互いを思いやることで、お互いに何かあったときにこのように助け合える関係を作っていきたいです。この関係を繋げていくことで世界が平和になるのではないかなと思います。

Até próxima! (またね!)
関朱美

2016.08.10

「グローバル教育コンクール2015」においてJICA地球ひろば所長賞を受賞された夏目先生からの投稿

今年も、グローバル教育コンクールの審査員をやらせていただき、感動的な作品に出合わせていただきました。2016年2月21日市ヶ谷のJICA地球ひろばで2015年の授賞式がおこなわれました。授賞式の様子は以前のブログでも報告させていただきました。 今回は写真部門において、特に印象が深かった作品の作者である夏目先生から撮影の時の様子を含めバックヤードの投稿をいただきました。グローバル教育コンクールの素晴らしさの一つは、このように作品をグローバル教育の場で自由に使えることにあります。コンクールの成果物は、JICAのサイトからダウンロードでき、そのまま日本各地でグローバル教育のツールとなることを考えれば、まさに持続可能なシステムを持ったコンクールといえます。そして、何よりも作品を応募した本人が現地から学び、グローバルな体験を積み変容したということなのです。この方たちも、作品と同様グローバル教育を広げていく力を持っていることなのです。(斉藤)

夏目先生は教員から協力隊員に参加しました。先生にお聞きすると、「参加して変わったことはたくさんありますが、一つはいろんなことを受け入れられるようになったことだと思います。文化の違い、言葉の違い、仕事に対する考え方の違い・・自分の思うようにいかないことの方が多かったですが、そんなちがいや多様性を受け入れて、できることを1つずつやってきたという感じです。 それができるようになったのは、やはり現地の人と時間も思いも共有することを大切にしたからではないかと考えています。待つ時間も長く自分一人でやってしまったほうが早いと感じることもありましたがものごとが進まない時間も含めて一緒にいることで、お互いの理解が進むのだと思います。改めて思うのは、ニカラグアの人たちに励まされ、支えられたなということです。派遣前に、「固有名詞の出会いを」という言葉を聞いたのですが、外国人、日本人、ではなく「カヨコ」として受け入れてもらえたこと、また、現地の人たちとそのような関係を築けたことに感謝だなと思います。」と言われます。

夏目佳代子 「ピカピカの靴と僕の手」ニカラグア(ヌエバギネア市)作品をご覧ください。

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 協力隊で活動したニカラグアに赴任した当初、驚いたことの1つは靴磨きや食べ物を売るなど、働く子どもたちがたくさんいることでした。そのような子どもたちがいることは、本を読んだり聞いたりして予想はしていましたが、実際に子どもたちの姿を見ると考えさせられることがたくさんありました。

 顔見知りになると、道端で出会った時に声をかけてくれる子もいました。街を歩くと、名前を呼んであいさつしてくれたり、いつも元気でたくましく生活している姿に、励まされることがたくさんありました。アントニオ(*写真の靴磨きの少年です)もそんな子の1人です。いつもお兄ちゃんと一緒に、靴磨きの道具を背負って、朝早くから市役所の前にいました。他の子どもたちと比べると、ちょっとシャイなところもあって言葉は多くないですが、道ですれ違って目が合うと、あいさつしてくれました。

 赴任して1年ほど経ったある日、配属先の青少年の家で活動していたところ、アントニオが通りかかりました。スタッフが彼に靴磨きをお願いしたので、どちらにもお願いして写真を撮らせてもらったのがこの作品です。靴を磨いている様子を近くで最初から最後までずっと見たのは初めてだったかもしれません。それまでにも町で働いている子どもたちを見かけて、遠くから写真を撮ることはありましたが、近くでずっと見ているということはありませんでした。子どもたちの姿を伝えたいという思いと、靴磨きをしている子どもの立場、靴を磨いてもらっている大人の立場を考えると、いきなり写真を撮っても大丈夫だろうかという思いとがあったからです。 

 アントニオの仕事を見ていると、手で靴墨を丁寧に塗ったり、布で何回も丁寧に磨いたりと、遠くから見ていたのでは分からなかった、真剣さ、誠実さが伝わってきました。ふとアントニオの足元を見ると、靴はボロボロ、そして靴を磨き終わった後、手を洗うこともなく真っ黒なまま。手にしたのはわずか30円くらい。(現地で、ペットボトル1本買えるか、買えないかくらい)ピカピカになった靴と、アントニオのボロボロの靴と真っ黒な手を見て、複雑な気持ちでした。靴磨きをお願いしたスタッフにとっても、アントニオにとっても、ごく日常生活の一コマだったかもしれません。実際、スタッフは威圧的な態度でアントニオに指示する、という訳ではなかったし、お礼を言ってお金を払っていました。アントニオにも、児童労働をさせられている、というような意識はなかったかもしれません。でも、彼が自分の靴を構わずに、誰かの靴をピカピカにする、ということにずっと違和感が残りました。

 アントニオのように働いている子どもたちを見ると、学校に行っているのか、家でどんな生活をしているのだろうかといろいろなことを思いました。彼らのために何かできないかと思いながらも何ができるのか、どうするのがよいのか、自分の中でも答えが出ず、具体的に何かできたわけではありません。彼らに「学校に行った方がいいよ。」と言っても、その日家族が生活できなかったら、学校に行くことより働くことが優先的になってしまうのは当然のようにも思えます。

 働いている子どもたちに話を聞くと、「働くのは家族を助けるため。」で、午前中に学校に行って午後働く子、学校には行っていない子、さまざまでした。学校に行けない、ノートが買えない、学校を中退しないといけない、など、厳しい環境の中で生活している子どもたちですが、「好きなことは?」と聞くと、「働くこと」という答えが返ってきたり、「家族みんな生活していくためには働かないとね。」とさらっと言う子どもたちもいて、子どもたちにとって、働くことは家族の一員として当たり前に感じているのかもしれません。将来の夢も聞くと、みんな堂々と答えました。いつも元気な子どもたちの姿に励まされることもたくさんありました。自分に誇りをもって仕事をしていたり、家族を思って働いていたり、たくましく生きる子どもたちの姿を伝えたい。そして、「かわいそう」、「日本に生まれてよかった」、という思いで終わるのではなく、彼らの姿から私たちも学ぶことがある、そんな思いで作品を応募しました。

 帰国後、生徒たちに、ニカラグアのことや子どもたちのことについて、参加型の手法を使いながら伝えてきました。元気いっぱいの子どもたちの写真とともに、アントニオの他にも、2年前のグローバル教育コンクールで佳作をいただいた、パン屋のノーリンの話、電気も水もない農村で家族と暮らす子どもたちの話、など話しました。写真やエピソードを通して、生徒たちから「家族を大切に過ごしている」「ものがなくても知恵を出し合って暮らしている」「生活は大変そうだけど、楽しそう、幸せそう」「いつか行ってみたい。」などの感想が返ってきました。直接そのようなことを言わなくても、生徒たちが自分でそのようなことに気づいたことをうれしく感じました。

 私は、ニカラグアでの滞在中、「Hola! desde Nicaragua」という通信を書いて日本の学校や友人にメールで送っていました。ニカラグアの文化について、自分の活動について、食べ物について、そして子どもたちのことについて、などなど伝えたいことがたくさんあったのですが、考えていたのは、まず、ニカラグアのよいところを知ってもらいたいということ。「発展途上国」と聞くと、「かわいそう」「治安が悪い」など、どちらかというとネガティブなイメージをもつ人もいます。でも、実際に暮らしてみると、ニカラグアのよさはたくさんあり、人々の考え方や生き方から学ぶこともたくさんあり、それを通信を通して伝えました。(もちろん、もう!と怒れたり、はあ・・とため息をつくこともたくさんありましたが)そして、ニカラグアのよさを伝えた上で、国が抱える課題や、人々が暮らす厳しい環境についても通信で書きました。働いている子どもたちについても、通信や、帰国後に直接話す中で伝えたいとずっと考えていました。もしよかったら、通信もご覧ください。

ぎふ国際協力大使からの便り No1〜No57

2011年5月〜2013年4月までの「¡Hola! desde Nicaragua!」が私の担当です。(*岐阜県出身の協力隊員すべてがぎふ国際協力大使となっており、他の隊員の便りも一緒に入っています。)

http://www.pref.gifu.lg.jp/sangyo/kokusai/kokusai-koryu/c11129/index_25014.html

※アントニオのことは、No53に書いてあります。

※子どもたちの夢のインタビューについては、No57に書いてあります。 

(投稿 夏目佳代子 編集 斉藤宏)

2016.08.04

グローバルコンピテンシーの数値化で人財を可視化し学校や企業のポテンシャルを変容させる

グローバル人材という言葉は、グローバル社会が現実化し、教育界は勿論、社会のあらゆるところで聞かれるようになってきました。ところが、その定義はそれぞれバラバラで、評価法も多様です。そこで従来、企業などにおいてはその人財評価にコミュニケーションのツールとしての「語学力」を指標としてきました。これなら点数そのものを数値化できるのでグローバル人財を選び出せると考えるわけです。

しかし、ご存じのように語学力は要素の一つではありますが、それでグローバル人材かというと、そうとは言えないことは明らかです。つまり、語学を活用するコンピテンシー(行動特性)が必用になってきます。たとえば語学力が高くても、相手とのコミュニケーションが取れなければ仕事は進んでいきません。また、新たに創造的な自分の主張を主体的に発表して、相手の主張との課題を解決していく力が必用となってくるでしょう。

2006年2月に、厚生労働省は「社会人基礎力」を定義し3つの能力と12の能力要素

前に踏み出す力(主体性、働きかけ力、実行力)
考え抜く力(課題発見力、計画力、創造力)
チームで働く力(発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力)

経済産業省のグローバル人材像
2010年4月 産学人材育成パートナーシップ グローバル人材育成委員会 報告書

グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバ ックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝 え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗 り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれ ぞれの強みを引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み 出すことができる人材。
ⅰ)「異文化の差」が存在するということを認識 して行動すること
ⅱ)「異文化の差」を「良い・悪い」と判断せず、興味・理解を示 し、柔軟に対応できること
ⅲ)「異文化の差」をもった多様な人々の中 で比較した場合の、自分を含めたそれぞれの強みを認識し、それらを引き出し て活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すこと

2012年6月に出された、国家戦略室のグローバル人材育成戦略(グローバル人材育成推進会議 審議まとめ)からは

要素Ⅰ:語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ:主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感 
要素Ⅲ:異文化に対する理解と日本人のアイデンティティー

と定義を発表してきました。

これらから、グローバルコンピテンシーを数値として表現するときに、単純な数値では表現できないことが理解できます。そこで、定義から共通点を探ってみました。それを3つの軸として考えました。

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グローバルプラスの各事象の特徴

「前に踏み出す力」いわゆる「グローバルリーダーシップ」が重要だと気づきます。要素として、主体性、働きかけ力、実行力、チャレンジ精神がかかわってきます。次に
「考え抜く力」あるいは「イノベーション力」は、それまでの考え方を融合し新しい発想を創造することができます。これには要素として、課題発見力、計画力、創造力などがかかわってきます。
さらに、「異文化対応力」あるいは「多様性」といえるでしょう。要素としては異文化理解、協調性、柔軟性、コミュニケーション能力なのです。
これらの要素は一つの数値として表すのは極めて困難です。そこで、私が研究で考えたのは、あえてすべての数値をまとめず、ベクトルの合成としてグローバルコンピテンシーを現わせばよいことに気づきました。つまり
X軸に「前に踏み出す力」いわゆる「グローバルリーダーシップ」
Y軸に「考え抜く力」や「イノベーション力」とするのです。

X軸、Y軸としたことで、第一象限が最も強いグローバルコンピテンシーを現わすことになります。第二象限は特に考え抜く力やイノベーション力が強い人材、第三象限は国内基盤人材、第4象限は特に前に進む力が強くグローバル人材の支援人材となりえます。
さらに座標をバルーンとして「異文化対応力」あるいは「多様性」を表現することにしたのです。これによりグローバルコンピテンシーの3次元の指標を合理的に一つの座標で表現することができるのです。バルーンが大きいほど多様性が高く、調整能力が高い人材を現わします。

それぞれの軸の力には前記した+の要素とストレスなど-の要素を演算しました。つまり前に進む力が強くても、本人が無理をしていてストレスが大きくなる場合が存在するからです。

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このオリジナルな発想に基づいて、様々なデータを収集し、可視化してみました。都内のある学校の高校生による検査を行いました。その結果のグラフがこれです。第一象限に存在する高校生もいます。この生徒たちは、クラブ活動の部長など、リーダーシップを発揮しているようです。多くの生徒は第三象限に位置し「多様性」バルーンが小さいことがわかります。社会経験などがまだ少なく、異文化理解などはこれからの状態です。しかし、この年代の生徒たちは、変容が大きいのです。個人個人の位置を本人が認識したうえで、「多様性理解」を目的としたファシリテーションやコーチングなどを行い、大きな変容が期待できます。
もう一つは、グローバル企業の部長クラスとNGOや大学などで、グローバル教育を指導している人材の検査を収集しました。これを高校生のデータと比べると、明らかにその違いが分かります。x軸の位置もより前進力が高いのですが、大きく変化しているのはイノベーション力です。様々な経験を積んできたグローバル人材は明らかに「考え抜く力」あるいは「イノベーション力」が高くなっているのです。また、「多様性」バルーンも平均的に高いことが理解できます。

このように、完全に客観的に可視化することで、そのグループの相互関係もひと目で理解でき、これをグルーピングに活用すると、グループごとの力を平均化することもできます。いかがでしょうか、いままで、感覚や適性だけで同定していた人材をこのように数値化することで学校のパフォーマンスを上昇させたり、企業のポテンシャルを最大限上げることができます。それは結果として人材を生かし人材の能力を最大限活用することにつながります。(斉藤宏)

 

2016.07.31

アクティブラーニングによる国際理解教育

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都立瑞穂農芸高校での授業「人間と社会」で「文化の多様性」を考える講演を実施してきました。

話し中心でなくアクティビティをいれた内容で組み立ててほしいということで、「世界がもし100人の村だったら」風にワークショップをアレンジして実施しました。人数は1年生約180名で、体育館で椅子などを使わずに行いました。

アクティビティ1

最新のデータで国別カードを創り、生徒一人一人が別の国の国民となるように配りました。カードには様々な比較データを入れ、標準に話されている言語も書いてあります。そこでまず、自分がその国の国民として理解したうえで、言語が通じる相手を探して、握手をしてコミュニケーションをとりグループを拡げ、話し合おうと呼びかけました。

これは、初めての友達ともアイスブレーキングの意味が大きいですが、言語を使ったコミュニケーションの広がりも実感させます。2か国語を話せる国民がいれば、その人を通訳としてグループを広げることができるのです。

日本語は、世界に一つだけの言語ですから、ほかの国の人とそのままではグループも作ることができません。この体験で生徒たちは、「英語って重要なんだ」などいろいろなことを学んだようです。

 

アクティビティ2

一人あたりのGDPは経済中心の指標で、本当の世界は現わし切れていないという話をして、経済、教育、寿命などを入れた指数としてHDI(人間開発指数)という指数のことを説明しました。いくら国民総生産が高くても、国民の教育や健康に気を配らない国は本当に発展しているとは言えないからです。自分が持っているカードの国のHDI順位に縦に順番に並んでもらいました。これも、周りの人とコミュニケーションをとらないと自分の本当の位置がわかりません。生徒たちは結構頑張って並びました。並んだら隣の国の人たちとロールプレイング(役割演技)でなりきった国のことを話してもらいました。

格差を実感することはとても重要なことです。ここで、世界で暮らす人々の大きな格差について、自分のこととして感じることになりました。これは感想にもたくさん書かれていました。

生徒アンケートより

今回のワークショップでは、生徒アンケートを見ると理解できますが、目を見張るのは、「あなたが生活するこの環境は恵まれていると思いますか」という世界の格差についての理解は、当てはまる、どちらかといえば当てはまると合わせて98%で、しかも、当てはまるが144とほとんどを占めていることからも、ほとんどの生徒が理解したと考えられます。やはりカードを持った自分がロールプレイングとして代理経験をしたからだと思われます。

アクティブラーニングの素晴らしいところは、実際にその国に行くのが一番ですが、それができないとしても、仮想体験で、より現実性を帯びた体験により、定着させることができます。これは、知識注入型の従来教育では難しかったのです。

グローバル教育の手法として、アクティブラーニングは欠かせません。特に高校生や大学生、若い社会人など、グローバルコンピテンシーを診断すると多様性の平均をとると小さく、標準的な位置より低い傾向が見られます。それは当然で、まだ多様な社会を知らない面もおおきいのです。だからこそ、変容の可能性も高いと考えます。高校、大学、新社会人などへのこのようなワークショップの効果は大きいといえます。

生徒感想抜粋(生徒たちは、聞く態度も立派で、180名ほとんどの生徒が「ふりかえり」で感想をしっかり書いてくれました。)

・グラフや自分たちで動いて体験できたのでとてもわかりやすかった。また日本が世界の国々に比べて恵まれていることが再確認できた。これからはその恵まれている環境を無駄にしないで、勉強を頑張っていきたいと思う。

・話を聞いて自分はとても恵まれていると改めて考えた。自分が普通だとおもっていたことが、他国の方、ましてや日本人でさえ普通だと考えない人もいることが分かった。これから生きていくうえで、自分は海外にも目を向け、多くの人と積極的に関わっていきたいと思った。そのために多くの国の言葉も学んでいこうと思った。

・日本って恵まれているなと思っていましたが、今回の話を聞いて改めて感じました。普通のご飯が食べられる、学校に通える、遊ぶことができる…など、普段やっていることを大切にしていこうと思いました。また世界の言語が6000語以上あることに驚き、世界って広いなと思いました。

・今回の講義を聞いて、先進国と発展途上国の所得、教育の格差が、こんない大きいんだと感じた。日頃当たり前のように、嫌でも勉強できるということがとても恵まれていることだと改めて実感した。

・話せる言語で集まるというアクテビティで一つの言葉を話せるより、二つ以上の言葉を話せたほうが、たくさんの人が集まれるということが印象に残った。

・他のクラスの人と交流があったので、今まで話したこともなかった他のクラスの子と話せたのでとても良い機会だった。

・「あなた何語?」といろんな人に聞けたし、周りにいた人たちも「何語の人あっちにいたよ」などといろいろな協力ができたと思います。

・アフリカの理科実験の写真で、器材に恵まれていないのに、空き缶を使い実験をしている生徒の目がキラキラしていて、感動しました。

・印象に残ったことは、黒人の男の子と授業風景の写真です。あんなに男の子が生き生きとして輝いている顔に心を打たれました。

・私は、勉強するのが苦手です。でも勉強をして、分からなかったところを理解できたときの楽しさや、テストで良い点をとれた時の喜びも知っています。何かをやり遂げる、できるということは、どんなことでもやっぱりうれしいもので、たとえそれが生活のためだっとしても、素晴らしいことなのだと感じました。

(斉藤宏)

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